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熟女美紗  情交の遍歴
第1章 肉欲の暴走 大学生 俊輔
 その晩、美紗は七時近くになって買い物袋を手に帰宅した。
 俊輔は、美紗の様子を伺った。

 「俊輔さん、洗濯物、取り込んでくれてありがとう」
 「アッはい。当然です」

 俊輔はドキッとしたが、それ以上何も言われなかったのでとりあえず安心した。

 美紗は、その朝、学校に出かけた俊輔の部屋を掃除して汚れたシーツに気がついた。
 夫との情交のあと、しばしばシーツに残っていた精液の汚れと同じ。
 明らかに射精のあとだと分かった。
 大量のティッシュも捨ててある。
 若い青年の普通の生理現象か、それとも、二人の暮らしが刺激になったのか。
 美紗はふと、後者の方がいいのに、と思った。
 勤務の日だったので、あわてて洗濯をして家を出た。
 その日一日、俊輔の汚したシーツのことが頭から離れなかった。
 トイレに入るとパンティーが濡れていた。
 それが尿漏れでないことは、美紗には分かっていた。
 美紗の心の中に、いつの間にか情欲が渦巻き出していた。
 それは、最初に俊輔に感じた母性とは程遠い感情だった。

 そして二人は何食わぬ顔でテーブルに着いた。
 俊輔がきのうより無口だと美紗は感じた。

 「きょうは学校で何をしたの」
 「いつもと同じです」

 返事もそっけない。
 きのうまでの親子のような無邪気な雰囲気は一変、男と女の感情が部屋全体を支配し始めていた。
 その日も美紗は俊輔の体を洗いに浴室に入った。
 背中を流す手が震えそうで、いっそのこと裸になって一緒に入った方がいいのに、と良からぬ感情が湧く。

 「フフフ、わたしも一緒に入ろうかしら」

 美紗は俊輔の背後から、耳元でそうつぶやいた。
 冗談めかしてはいたが、思わず口走った露骨な言葉。

 「そこまでしたら、・・・・まずいでしょう」

 子ども扱いされた気がして、俊輔は少し怒ったような声を出した。

 「そう、そうかしら。俊輔さんが嫌だったら、よすわ」

 二人の間を沈黙が支配し、体を洗う音だけが浴室に響いていた。
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