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第6章 軋むベッド　情交の館　

　（そうか、絵里もとうとう結婚か）

　美紗は絵里の選択が当然だと思った。
　それに対して、自分は対極を選択したのだろうか。

　サラダとトースト、目玉焼きにコーヒー。
　簡単な朝食が並ぶと四人はそろってテーブルを囲んだ。

　「記念すべき日だ。この家が君たちの思い出の場所になるなんて、光栄です」

　幸一もうれしそうな声で二人を祝福した。


　四人がしばらく談笑を楽しんでいると、突然ドアが開いて和服姿の女が現れた。

　「どうしたんだ。急に」

　幸一はあわてて立ち上がり、和服の女に近づいていった。

　「どうもこうもないでしょ。我が家に入るのに遠慮なんかしないわ」

　チャイムも鳴らさず突然現れた和服の女は幸一の妻、久美だった。
　久美の登場はまさに晴天の霹靂。
　座は一気に緊張した。