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第6章 軋むベッド　情交の館　

　「瀬川さん。是非、今日は横浜を案内してください」
　「残念ね。そんなに暇じゃないわ。それに、先生もこんなオバサンとでは面白くないでしょ」
　「とんでもない。美紗さんを見た瞬間、港町横浜にピッタリの雰囲気を感じたなあ。吉沢さんが惚れるだけのことはありますね」

　いきなり呼び方まで美紗に変わった。

　「いつも美しい京女に囲まれているくせに」
　「京女と云っても、私の周りは、みな病人です」

　美紗の嫌味にも健は平気な顔だ。

　「ところで美紗さん、先生はやめてください。健ですからケンチャンでいきましょう」

　美紗は思わず吹き出した。

　「分かったわ。それにしてもケンチャンは軽すぎません」
　「いいんです。僕は軽い男に見られていた方が気が楽ですから。先生先生と一日中呼ばれていると肩が懲ります」

　健はニッコリ笑った。