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熟女美紗 情交の遍歴
第6章 軋むベッド 情交の館
「いいわ。今日一日、ケンチャンに付き合ってあげる。その代わり、二人のことを詳しく話してくれるわね」
「ようやく交渉成立ですね。じゃあ、どこかコーヒーでも飲みながら」
健が公園に程近い老舗のホテルを指差した。
幸一と久美、この熟年夫婦が陥った夫婦の危機について健は話し始めた。
仕事に追われる幸一と子育てが終りゆとりの生まれた久美の間にコミュニケーション不足による軋轢が生じた。
夫婦関係がギクシャクし出したとき、久美は更年期障害を患った。
久美の別居が反って症状を悪化させたのだという。
幸一から聞いていた話とは随分違う。
「自由奔放な妻」は、じつは「更年期障害を患う哀れな妻」だったのだ。
「幸一さんはずっと、会社経営に追われる身。奥様だってそこの事情はよく分かる。頭ではよく分かっても、心と体がついていかない。そんな奥様の苦しみは美紗さんにもお分かりでしょう」
健はそう言って美紗の顔を見た。
「更年期はまだ大分先よ」
そんな事情が判っていたら、はなから幸一に近づいたりはしなかった。
それにしても、幸一の言葉を鵜呑みにした自分にも責任がある。
「私が消えるわ。あの二人はやり直せばいいのよ」
「私が消えるわか・・。僕、惚れ直しました」
「惚れ直したなんて。出合ったばかりのくせに。口だけは達者ね」
「会った瞬間、美紗さんに惚れました。だから、今惚れ直したんです。都会的で、自立した女」
美辞麗句を重ねる健に美紗は呆れていた。
美紗は立ち上がってエレベータに向かった。
「あ、待って下さい」
会計を済ませると健はあわててエレベータに飛び乗った。
「ようやく交渉成立ですね。じゃあ、どこかコーヒーでも飲みながら」
健が公園に程近い老舗のホテルを指差した。
幸一と久美、この熟年夫婦が陥った夫婦の危機について健は話し始めた。
仕事に追われる幸一と子育てが終りゆとりの生まれた久美の間にコミュニケーション不足による軋轢が生じた。
夫婦関係がギクシャクし出したとき、久美は更年期障害を患った。
久美の別居が反って症状を悪化させたのだという。
幸一から聞いていた話とは随分違う。
「自由奔放な妻」は、じつは「更年期障害を患う哀れな妻」だったのだ。
「幸一さんはずっと、会社経営に追われる身。奥様だってそこの事情はよく分かる。頭ではよく分かっても、心と体がついていかない。そんな奥様の苦しみは美紗さんにもお分かりでしょう」
健はそう言って美紗の顔を見た。
「更年期はまだ大分先よ」
そんな事情が判っていたら、はなから幸一に近づいたりはしなかった。
それにしても、幸一の言葉を鵜呑みにした自分にも責任がある。
「私が消えるわ。あの二人はやり直せばいいのよ」
「私が消えるわか・・。僕、惚れ直しました」
「惚れ直したなんて。出合ったばかりのくせに。口だけは達者ね」
「会った瞬間、美紗さんに惚れました。だから、今惚れ直したんです。都会的で、自立した女」
美辞麗句を重ねる健に美紗は呆れていた。
美紗は立ち上がってエレベータに向かった。
「あ、待って下さい」
会計を済ませると健はあわててエレベータに飛び乗った。