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熟女美紗 情交の遍歴
第7章 欲情の花火 医師 健
「ケンチャン、まったくあなた講釈師ね」
「講釈師・・・何ですかいきなり」
「講釈師見て来たような ウソをつき。そんな話、どうしてあなたに分かるの」
「ばれたか。じつは僕の脚色も大分入ってます。あのあと、久美さんから連絡があったんです。その日から、夜眠れるようになった。不眠症が治ったとね。更年期にとって一番大切なのはご主人との夫婦生活。そういえば分かるでしょう」
「更年期なんてまだまだ先です。分かるわけがないでしょう」
そう言いながらも美紗は大方のことを理解した。
もしかして、美紗が幸一に求め、幸一に教えた性戯のいろいろが少しは役に立ったのかもしれない。
(だとしたら、本当に人命救助だわ)
二人は診察室を出た。
京都の町は、「大文字焼き」目当ての観光客で溢れていた。
おまけに盆地特有の風のない夏の午後はたまらないほどの蒸し暑さだった。
「暑いわ。どこか涼しいところに案内して」
「美紗さん、この時期、京都に涼しいところなんてありませんよ。時期が悪すぎます」
「あら、ケンチャンが誘ったくせに」
「本当に美紗さんが来てくれるとは思いもしなかったんです。じつは僕、女性とまともにお付き合いした経験もないし・・・」
「そんなウソ信じるとでも思って」
「美紗さん、医師になるって大変なんです。中学高校は受験勉強。大学に入っても、国家試験がありますから」
「ふーん」
美紗は、一応納得した。
「ところでケンチャン、素敵な世界に案内するって、大文字焼きのこと」
「あ、そうでした。大文字焼きではありません。宮津の燈籠流しです」
「宮津・・・」
「天橋立のある宮津です。大文字焼きのような大イベントではなく、古き良き時代そのままの田舎の行事」
「へえ、面白そうね」
「宮津は海だから、ここよりずっと涼しいです」
「講釈師・・・何ですかいきなり」
「講釈師見て来たような ウソをつき。そんな話、どうしてあなたに分かるの」
「ばれたか。じつは僕の脚色も大分入ってます。あのあと、久美さんから連絡があったんです。その日から、夜眠れるようになった。不眠症が治ったとね。更年期にとって一番大切なのはご主人との夫婦生活。そういえば分かるでしょう」
「更年期なんてまだまだ先です。分かるわけがないでしょう」
そう言いながらも美紗は大方のことを理解した。
もしかして、美紗が幸一に求め、幸一に教えた性戯のいろいろが少しは役に立ったのかもしれない。
(だとしたら、本当に人命救助だわ)
二人は診察室を出た。
京都の町は、「大文字焼き」目当ての観光客で溢れていた。
おまけに盆地特有の風のない夏の午後はたまらないほどの蒸し暑さだった。
「暑いわ。どこか涼しいところに案内して」
「美紗さん、この時期、京都に涼しいところなんてありませんよ。時期が悪すぎます」
「あら、ケンチャンが誘ったくせに」
「本当に美紗さんが来てくれるとは思いもしなかったんです。じつは僕、女性とまともにお付き合いした経験もないし・・・」
「そんなウソ信じるとでも思って」
「美紗さん、医師になるって大変なんです。中学高校は受験勉強。大学に入っても、国家試験がありますから」
「ふーん」
美紗は、一応納得した。
「ところでケンチャン、素敵な世界に案内するって、大文字焼きのこと」
「あ、そうでした。大文字焼きではありません。宮津の燈籠流しです」
「宮津・・・」
「天橋立のある宮津です。大文字焼きのような大イベントではなく、古き良き時代そのままの田舎の行事」
「へえ、面白そうね」
「宮津は海だから、ここよりずっと涼しいです」