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熟女美紗  情交の遍歴
第1章 肉欲の暴走 大学生 俊輔
 一方、美紗の方もビックリ仰天。

 現れた青年はパンツにシャツの下着姿。髪の毛からは水が滴っていた。
 (まったく、なんと言う格好で・・・)
 しかし、突然訪ねたのは自分。文句を言える立場ではない。
 美紗は一刻も早く被害者に謝罪したかった。しかし、保険会社から示談成立まで安易に被害者に連絡しないよう釘を刺されていたのだ。
 ようやく示談が成立。60日間の免停も終って、美紗は被害者宅を訪れたのである。
 再びドアが開き、ジーパンをはいた青年が立っていた。

 「ご挨拶が遅れまして、本当に申し訳ありませんでした」

 手にしていた果物駕篭を差し出すと、美紗は深々と頭を下げた。

 「すみません、宅配業者かと」

 俊輔は無礼を素直に詫びた。

 「もっと早くご挨拶に来るのが当然なんですけれど、保険会社に止められてしまい・・」

 美紗の言い訳に、俊輔は冷たい保険会社の仕打ちを思い出した。

 「あなたの加入していた保険会社はひどいですね」

 その言葉に美紗は首をかしげた。

 「私、保険会社には十分な補償をしてくださいとお願いしたのですが」
 「あなたの気持ちはそうだとしても、保険会社には保険会社の基準があるようで、学生の僕にはきつい補償でしたよ」

 俊輔はこのときとばかり、日頃のうっ憤を瀬川美紗に吐き出した。

 「片手が不自由だとどれだけ大変か。フライパンを持てないから野菜炒めも出来ないんです」

 言われてみれば確かにそうだ。

 「でも」俊輔は続けた。

 「こんな生活の不自由なんて、慰謝料にどこまで反映するのか疑問です。だから、結局、怪我をしたものが損をすることになる」

 美紗は恐縮した。
 そもそも、具体的な交渉内容については何も知らされていなかった。

 「金さへ払えばそれで済む。すべて保険会社任せ・・・」

 たたみ掛けるような俊輔の言葉を美紗はあわてて遮った。

 「すみません。あなたのおっしゃる通りです」

 ここは謝るしかない。美紗は深々と頭を下げた。
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