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熟女美紗 情交の遍歴
第2章 弄ばれる悦び セフレ 充
下山道が林道に出ると美紗はしばらく道なりに下って右に折れた。
そこが俊輔の祖父の家だった。
庭で片付けをしている祖父の姿が見えた。
「その節はお世話になりました」
美紗は深々と頭を下げ、祖父にお礼の品を手渡した。
「これはこれは、遠慮なく頂きます」
俊輔は元気よくシアトルに飛び立って行ったと祖父に伝え、美紗は養殖場を営む充の家に向かった。
「美味しかったわ」
美紗は岩魚のお礼をした。
「でも、ガスレンジで焼く岩魚の味は、炭火には敵いませんネ」
美紗はそう言いながらお礼の手土産を渡した。
「今度は是非わが家の囲炉裏で焼いた岩魚を食べてください」
充はうれしそうに土産の中をのぞくと、「蒲鉾ですか」と美紗を見た。
その開けっ放しの態度が山男の風貌と重なって、また美紗を惹きつけた。
「ええ、お口に合いますかしら」
「好物です。イタワサにして、一杯やりましょう」
「ありがとうございます。でも車ですので」
充は残念そうな顔をした。
「一晩ゆっくりして、と誘いたいところですが、そう言うわけにもいかないか」
充は笑った。
「私、本気にしますよ。充さん」
思いがけない美紗の返事だった。
暫しの沈黙とともに、微妙な空気が二人の間に漂っていた。
充に別れを告げると美紗は林道を下って駐車場に向かった。
美紗は車に乗ると大井松田インターに向かって田舎道を走った。
国道246に向かう田舎道が林道との分岐点に差し掛かると、ブレーキを踏んだ。