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熟女美紗 情交の遍歴
第5章 情事の香り 社長 幸一
一通り妻との関係を説明すると、幸一は口をつぐんだ。
何を食べたのか・・・、何を飲んだのか・・・。
運ばれてくる料理を、幸一はただ飲み込むように口に運んでいた。
あれほど落ち着き払っていたはずの幸一だが、のどから出かかった言葉を言いあぐんでいる様子が哀れに見えるほどだった。
抑えきれない欲望・・・、それを抑え込む躊躇する心。
美紗にはその言葉が何か、手に取るように分かっていた。
(うぶだわ・・)
美紗は並んで座る幸一に体を寄せると、左手をそっと幸一の手に重ねた。
「うれしいわ。吉沢さんとこんな時間が過ごせて。夢のようよ」
美紗の助けを借りて、ようやく幸一は口を開いた。
「人生は短い・・・。その時その時を大切にしないと」
そこまで言って、重ねた美紗の手を握り締め、もう一度ためらってからようやく誘った。
「部屋は取ってありますから」
席を立ち、美紗を案内してエレベータに向う幸一の額から汗が噴出していた。
ホテルに女性を誘う・・・、はじめての経験。
念のために部屋は取っておいた。
だが、まさか、こんなにすんなりと・・・・。
後ろからハイヒールの音を響かせながら着いて来る美紗の存在に幸一はなぜか怯えた。
パートとはいえ美紗はれっきとした社員。
社員手を出すことが、許されるのか・・・。
(今さら何を・・・、目の前にベッドが待っているのだ)
後ろ髪を引くような不倫と淫交の呵責も、湧き上がる欲望の渦の中に消えてゆく。
エレベーターを降りると、スイートルームのドアを開けた。
海に向かって開いたスイートルームの窓は、いつの間にか降りだした雨に煙っていた。
ビルの灯りも、ベイブリッチや街灯の明かりも雨に滲んでいた。
その中を船のマスト灯が右に左にゆっくり動いて行く。
時折り、ボーという汽笛が窓を震わせた。
幸一との時間は静に流れていった。
美紗はその緩やかな時の流れに身を任せた。
何を食べたのか・・・、何を飲んだのか・・・。
運ばれてくる料理を、幸一はただ飲み込むように口に運んでいた。
あれほど落ち着き払っていたはずの幸一だが、のどから出かかった言葉を言いあぐんでいる様子が哀れに見えるほどだった。
抑えきれない欲望・・・、それを抑え込む躊躇する心。
美紗にはその言葉が何か、手に取るように分かっていた。
(うぶだわ・・)
美紗は並んで座る幸一に体を寄せると、左手をそっと幸一の手に重ねた。
「うれしいわ。吉沢さんとこんな時間が過ごせて。夢のようよ」
美紗の助けを借りて、ようやく幸一は口を開いた。
「人生は短い・・・。その時その時を大切にしないと」
そこまで言って、重ねた美紗の手を握り締め、もう一度ためらってからようやく誘った。
「部屋は取ってありますから」
席を立ち、美紗を案内してエレベータに向う幸一の額から汗が噴出していた。
ホテルに女性を誘う・・・、はじめての経験。
念のために部屋は取っておいた。
だが、まさか、こんなにすんなりと・・・・。
後ろからハイヒールの音を響かせながら着いて来る美紗の存在に幸一はなぜか怯えた。
パートとはいえ美紗はれっきとした社員。
社員手を出すことが、許されるのか・・・。
(今さら何を・・・、目の前にベッドが待っているのだ)
後ろ髪を引くような不倫と淫交の呵責も、湧き上がる欲望の渦の中に消えてゆく。
エレベーターを降りると、スイートルームのドアを開けた。
海に向かって開いたスイートルームの窓は、いつの間にか降りだした雨に煙っていた。
ビルの灯りも、ベイブリッチや街灯の明かりも雨に滲んでいた。
その中を船のマスト灯が右に左にゆっくり動いて行く。
時折り、ボーという汽笛が窓を震わせた。
幸一との時間は静に流れていった。
美紗はその緩やかな時の流れに身を任せた。