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フリマアプリの恋人
第7章 秋桜の秘密
由貴子をリビングに通し、澄佳は素早くキッチンに入った。
…お茶…お茶の道具はどこにあるのだろう…。
焦って探し回っていると、背後からすっと透き通るように透明な白い手が伸び、システムキッチンの上の棚から盆に乗った高価な美濃焼きの茶器一式が取り出された。
「…こちらをお使いになって…。
お茶の葉は…確かこの間、お持たせした玉露があるはず…」
そう言って、引き出しから迷わずに取り出した。
…ふわりと古式床しい香の薫りが漂った…。
…物慣れた手つき…。
勝手知ったる我が家…と言った風であった…。
…お義母様…合鍵もお持ちになっていたわ…。
柊司との仲の良さが推し量れた…。
…少し気を揉んでしまうのは、由貴子が余りにも美しく若々しいからだ…。
…何を考えているの。私ったら…。
澄佳はそんな考えを振り払うかのように、明るく声を掛けた。
「ありがとうございます。
今、お淹れします。
…お掛けになってお待ちください」
由貴子は静かに微笑んでダイニングの椅子に座った。
「…ありがとう。
お構いなくね…。直ぐに失礼いたしますから…」
カウンターキッチンに立ち、水を満たしたケトルを火に掛けながら由貴子をそっと盗み見る。
…白い頸…華奢な首すじはほっそりと長く古風に結い上げた美しい黒髪が映える…。
日本人形のように整った横顔を見せ、由貴子は窓の外を少しぼんやりした表情で眺めていた。
しかし、その表情からは何も察することはできなかった…。
…お茶…お茶の道具はどこにあるのだろう…。
焦って探し回っていると、背後からすっと透き通るように透明な白い手が伸び、システムキッチンの上の棚から盆に乗った高価な美濃焼きの茶器一式が取り出された。
「…こちらをお使いになって…。
お茶の葉は…確かこの間、お持たせした玉露があるはず…」
そう言って、引き出しから迷わずに取り出した。
…ふわりと古式床しい香の薫りが漂った…。
…物慣れた手つき…。
勝手知ったる我が家…と言った風であった…。
…お義母様…合鍵もお持ちになっていたわ…。
柊司との仲の良さが推し量れた…。
…少し気を揉んでしまうのは、由貴子が余りにも美しく若々しいからだ…。
…何を考えているの。私ったら…。
澄佳はそんな考えを振り払うかのように、明るく声を掛けた。
「ありがとうございます。
今、お淹れします。
…お掛けになってお待ちください」
由貴子は静かに微笑んでダイニングの椅子に座った。
「…ありがとう。
お構いなくね…。直ぐに失礼いたしますから…」
カウンターキッチンに立ち、水を満たしたケトルを火に掛けながら由貴子をそっと盗み見る。
…白い頸…華奢な首すじはほっそりと長く古風に結い上げた美しい黒髪が映える…。
日本人形のように整った横顔を見せ、由貴子は窓の外を少しぼんやりした表情で眺めていた。
しかし、その表情からは何も察することはできなかった…。