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フリマアプリの恋人
第7章 秋桜の秘密
「そう。私の町に…。
私の住んでいる町ね。
田舎だけどのどかで良い町よ。
…瑠璃子ちゃん、山村留学…て知っている?」
「山村留学…?聞いたことある…かな…」
瑠璃子が長い睫毛を瞬かせた。

澄佳はゆっくりと瑠璃子が理解しやすいように語り始めた。
「都会の小中学生を田舎の山村や海の町に受け入れている制度なの。
私が住んでいる町でも海浜留学…ていう制度を何年か前から始めているの。
町の中学は1学年1クラスしかなくて生徒も1学年十人くらいなの。
私の店にもよく食べに来てくれるんだけど、皆んな素朴で優しくていい子ばかりよ。
先生たちとも家族みたいな関係でね…。
生徒一人一人をとても良く見てくれるわ。
それでね、都会からいろんな子が海浜留学しにくるの。
中には不登校の子どももいるのよ。
そんな子どもたちにも、皆んな優しく接しているし、卒業する頃にはすっかり馴染んで地元の子どもと変わらないくらいに逞しくなっているの。

海の町ならではの授業やクラブもたくさんあるし。
スキューバーダイビングやガーデニングや農業体験や…。
でも、お勉強もしっかりやっているわ。先生たちも丁寧に指導してくれるし…。
…住むところは私の家に来てくれたら…て思っているの。
古いけれどお部屋は余っているし…。
私、今一人で寂しいから、瑠璃子ちゃんが来てくれたら嬉しいんだけど…」
瑠璃子の青白い頰が次第に薔薇色に染まってきた。
「…澄佳さんのお家に…?」
「ええ。バレエを続けたければ、木更津にお教室がたくさんあるわ。
そんなに遠くないから、瑠璃子ちゃんなら電車で通えると思うの」

瑠璃子の瞳に新たな光が煌めき、強い意志の灯りが灯り始めた。
「…澄佳さん…。ありがとう。
もし本当に出来るなら…その学校に通ってみたい。
私のことを誰も知らないところで一から始めてみたい。
海が見える学校で…澄佳さんのところで、新しい生活を始めてみたい。
…私、ママに話してみる」
澄佳は頷いた。
「お母様と良く話し合ってみて。
もし、良かったら私が学校の方に話をしてみるから…」
不意に瑠璃子が澄佳に強く抱きついた。
「ありがとう、澄佳さん。
大好きよ…」
ぎゅっとしがみつく華奢で温かな体を、澄佳は愛おしげに抱きしめ返した。





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