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フリマアプリの恋人
第3章 紫陽花のため息
メールを送ってから、柊司はすぐさま後悔した。
読み返して、尚更後悔した。
…こんな…稚拙な文章をなぜ送ってしまったのか…。
深く落ち込む。

…メールの返信は、思ったよりも直ぐに来た。

「…めちゃくちゃです。
清瀧様はもっと冷静な紳士かと思っていました。
買いかぶりでしたね」

怒っているのかと一瞬どきりとしたが、よく読むとそこにはさりげないユーモアが漂っていた。

「申し訳ありません。
僕はいつもはこんな風ではないのです。
自分で言うのも何ですが、冷静で突発的に告白したりする男ではないのです。
…信じて頂けないかも知れませんが…」

「…分かりました。
貴方をこれから理解するよう努めてみます。
…それから、私のことも知っていただきたいと思っています。
私は、本当に貴方が思っているような人間なのかどうかも…」

「どんな貴方でも、私は貴方に恋し続けると思います」

「…さあ、それはどうでしょうか…。
貴方が私のことを色々お知りになって後悔なさらないと良いのですが…。
それではまた、明日。
おやすみなさい 澄佳」

…どうしてそんなことを…とレスしかけて、柊司は思い留まる。
これ以上しつこくして澄佳に嫌われたくはない。

焦ることはない。
これから自分を知って貰えば良いのだ。
…彼女のことも、これから知ればいい…。

柊司は深い満足と共に頷いた。

「おやすみなさい。澄佳さん。
また、明日メールいたします。 柊司」

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