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フリマアプリの恋人
第3章 紫陽花のため息
店の外の駐車場に歩いてゆくと、海岸の石段に立ち竦んでいた男が険しい表情で近づいてきた。
…昨夜、店にいた澄佳の幼馴染の涼太だ。
大柄で頑強な身体を白いTシャツに身を包み、洗い晒しの枯葉色のワークパンツに黒いワークシューズといった出で立ちだ…。
キャップを被った貌は見事な赤銅色に焼け、太く男らしい眉とはっきりした雄々しい目鼻立ちと共に、いかにも逞しい海の男といった姿であった。
涼太はつかつかと柊司の前まで進むと、腕組みしたままぐいと顎を上げた。

「…あんた、澄佳のなんなんだ?」
…恐らくは先ほどの二人のキスを目撃したのだろう。
柊司が澄佳の家に泊まったのも、もちろん承知の上だろう。
返答によっては殴られかねない強い憤りを感じさせる語気だ。

「…僕は、澄佳さんが好きです。
彼女の恋人になりたいと思っています」
涼太の眉がぐいと跳ね上がる。
「は?何綺麗ごと並べてんだよ。
…あんた、澄佳とヤッたんだろう?」
露骨な下世話な言葉に、柊司は表情を引き締めた。
「その言葉は澄佳さんに対する侮辱です。
誤解しないでください。澄佳さんとは何もありません。
雨が酷かったので泊めていただいただけです」

涼太は瞬きもせずに柊司を睨みつけ、やがて低く言い捨てた。
「澄佳を泣かせたら、あんたをぶっ殺す。
脅しじゃねえ。
…覚えておけ」
そのままくるりと背を向け、行きかけて…不意に振り向いた。
強い眼差しの中に、苛立ちと…微かな哀しみの色が透けて見えた。

「…あいつが泣くところはもう見たくねえんだよ」

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