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御主人様のお申し付け通りに
第13章 開かずの間
仕事も終わり、買い物をしていると偶然、永田のお爺さんに会った。

「久しぶりーっ!」

お爺さんの大きな声で、今晩のおかずを何にしようかが、ブッ飛んだ。

「ぶほっ!びっくりしたぁ」

振り返ると、お爺さんは近寄って、私の肩を叩く。

「どうじゃ、仲良くやっとるか?」

お爺さん、あんた何でそんなニヤニヤしてる?

「えぇ、まぁ」

「アッチの方も、うまい事やっとるか?」

「あ、アッチってドッチ?」

私はアチコチ見渡す。

「こ・づ・く・り」

ニヤァァ~ッ…て、笑い過ぎ。

うぜぇーーーっ!!

「ちょっと意味分かんないなぁ」

ボケてやる。

「週一くらいか?毎晩?」

「な、何が?」

すりよってきて、

「だから、アレじゃてぇ」

手のひらを筒にして、もう片方の人差し指を、お爺さんは穴の中に出し入れする。

「こぉらぁ。大丈夫ですか、この爺さんは」

思わず本音で笑って突っ込む。

「もぉ、あんまボケた言葉を吐いてると、間違えられますよ?ちゃんと、お孫さんとは仲良くやってますから安心して下さい」

ったく、変態なのは家系的なモノなのか。

「今晩の買い物か?」

「はい」

「鶏もも肉が安いぞ、グラム68円じゃ」

「マジですか?」

安い!まだ、有るかなぁ。

「でも、うちの孫は鶏では満足しないな」

「え?鶏肉嫌いなの?」

そんな訳ないよな、偏食はないって言ってたもん。

「トシコちゃんのもも肉が好きなんじゃよ」

……あぁ、はいはい。

エロ爺さん、あんたさっきから何かしら下ネタかますね。

「じゃあね、お爺さん。鶏肉にする。バイバイ」

もう、相手はできん。

さっさと私は、冷たく手を振り、立ち去った。

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