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御主人様のお申し付け通りに
第14章 永田の秘密
「言えよ」

「永田こそ言ったら?」

「は?」

私は睨み付ける。

何、強気で私に偉そうに命令すんのさ。

あんたの秘密を、中途半端に知ってしまったのがショックなのに。

「永田の秘密」

私は横目で、背後に居る永田に、更にきつく睨み付けた。

「あぁ?!俺の秘密?」

永田はちょっとだけ怒った顔して、私に対して覗き込んだ。

数分間、また見つめ合う。

……。

というのか、睨み合う?

……。

私は永田の腕を振り払った。

「あんた私を一体この家に入れて、最終的にどうしたい訳?」

「一緒にいたいだけ」

「違うってば!悪いけど、私はバツイチでも、あんたと違って結婚なんて二度と御免なんだから!」

私は永田の胸を遠ざける。

「好きとセックスは同じでも、結婚とかは絶対に違うから!」

「はぁ?」

「あんた結局、寂しいだけの男でしょ?奥さんと別れたかなんかして、寂しくて女抱きたいだけじゃないの?」

「……」

ほら、もう黙るんだから。

何で黙るの…?

「永田の秘密…知っちゃったよ…私…。知っちゃったよ…。秘密なんて私だけだと思ってて…永田に安心しきっちゃってたから…急にそんな事聞いて…ショックが大きくて…」

やだ、私。

支離滅裂してる。

「後妻だとか…言われたし」

「…誰に?」

「勝手に品格が違うとか…言われたし」

「…誰に言われた?」

自分を否定された事も、かなりムカついてるのに。

「誤解されて…知りたくない事まで知って…何で私がこんな目に合わなきゃいけないのさ!」

「……」

永田は少しだけまた黙って、バサッっと包み隠さず丸裸で起き上がる。

さっさとパンツを履いて、私服に着替えている。

「な、永田?」

「ちょっと行ってくる」

あの…私、泣いてるのに慰めてくれない訳?

部屋をとっとと出て行く。

放置かよ、私。

私はベッドで横になると、玄関の閉まる音がした。

あれれっ?…どこ行くの?
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