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御主人様のお申し付け通りに
第10章 はっきり言わして貰うが
寂しがり屋で甘えん坊。

今夜から、永田の隣りで毎日眠るのか私は。

腕枕と、もう片方の手は私の手を握る。

口を尖らせて、時々ムニャムニャと寝言を言っている。

可愛い。

けど、まだ正直私の気持ちは自分自身に向けられていて。

矛盾してると、葛藤する。

他の男と住んでたら、何のために旦那と別れたんだろう。

一人になりたいと自由で孤独を選択したのに、離婚した意味がなくなってしまう。

ただ、前の旦那を傷付けただけになってしまう。

それじゃ罪悪感が残っちゃう。

「…トシコ…」

自分が思ってるよりも、永田の私への思いが強いのを知る。

「どうしたの?…なんだ、寝言か」

人間って、寝てる時が一番素直なんだって、よく聞くけど。

「…チョッチュ…チュッチュッ…シュル…」

ブルブルブルーッて、口唇を赤ちゃんみたいに震わせてる。

「よしよし」

私は、トイレに行くために、静かに起き上がった。

ずっと永田と一緒だったから、スマホが点滅してるのに全然確認できなくて。

スマホを持ってトイレに行く。

……。

やっぱり、今見て正解だった。

元旦那からのメール。

今週末に東京に行くのか。

こんな夜中にメールの返信してごめん。

まさか、こんな早くに彼氏ができただなんて、伝えられない。

嫌いで別れた訳じゃないから。

やっぱり、寂しい。

甘えても、許してくれる存在だったから。

最後だとか思うと。

また会いたくなるかも。
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