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御主人様のお申し付け通りに
第10章 はっきり言わして貰うが
朝起きると、もう隣りには永田の姿がなくて。

あれれ…。

相変わらず、寝る時は丸裸にされてるもんだから、布団で隠して起き上がる。

閉められた扉に紙が貼ってある。

【先に仕事行く。家のカギ渡しとく】

と、テープでカギが貼り付けてあった。

信用してんの?私の事。

私はまたカバンからスマホを取り出すと、点滅していた。

元旦那からのメールだった。

「おはよう」

そんな些細な短文くらいは、返してもいいよね。

私はすぐに返信を返した。

「おはよう」

離れていた方が、お互いうまくやっていけれただろう。

その言葉に、結婚する前に気が付いていればよかったよね。

本当にそうだよね。

なのに、私はまた男と住んでる。

永田に対して、今よりも愛情をこの先も感じていけれるかなぁ。

うまく同じ空間で過ごせるかなぁ。

永田とセフレだったら、違った意味でうまくやっていけるのかなぁ。

同じ事だけは、繰り返したくない…。

ごめん、永田。

私はまだ完全に、あなたを愛す資格がないや。

きちんと愛せるかどうかも、今のところ自信ない。
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