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御主人様のお申し付け通りに
第11章 元旦那との別れ
私は、なんにもしないで、永田のベッドで平泳ぎしてる。

「永田ぁ。先に言っとくけど、あんまり私に一般的な女性の生き方、求めたりしないでね」

「一般的とは?」

「例えば、こったもてなし料理だとか?」

「それから?」

「理想的な結婚とか?私、掃除も洗濯も大嫌いだから」

「他には?」

「私、絶対に子どもだけは産みたくないの。だからエッチは構わないけど、子どもが出来たら本気で困る」

「避妊すりゃいいんだろ」

「申し訳ないけど、もし子どもが出来ても、私は絶対に中絶するし」

私は、知らん顔して違う方を見て言った。

「私さぁ、人生に必要ないモノは欲しくないから」

そう言うと、周りは引く。

だけど、ハッキリと永田には言わしてもらう。

一度きりの私だけの人生で、後悔するような出来事があったとしても、後に残るようなモノで、自分の人生が人の人生にすり変わってしまうような事はしたくないの!

頭を撫でる大きな手。

「分かったよ」

永田は意外にも、優しく返してくれた。

「おまえは言いづらい話も、俺だからしたんだろ?」

友人は理解してくれる。

みんな仕事が大切な女性ばかりだから。

親は話は聞いてくれても、理解は出来ないと否定される。

永田は?

理解してくれたの?

「料理か、料理はいつも、こないだみたいに二人で作ろう。掃除は俺がする。洗濯も俺がやる。トシコは気が向いた時にやれ」

気が向いた時…か。

「トシコは人のために自分を犠牲にしたくないんだろ?俺はトシコのためなら犠牲になってもいいと思ってるから、俺がやるよ」

ギュッと抱き締められた。

「永田らしくない」

「手放したくない一心だからな」
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