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白い指先と甘い吐息
第1章 校門と赤い車
遠慮しようと思ったが
屈託のない彼の笑顔と
その日最後の訪問とあって
なつみはつい、
彼の亡くなった妻が使っていたと思われる
鏡の前に座ってしまった。
「あの、本当にすこしだけでいいですから。
前髪のカットくらいで十分です」
「オッケー。じゃあ 今日はそろえるくらいで」
そういって、貴史はなつみの髪を
優しくとかし始めた。
(高いブラシなのかしら?
地肌がすごく気持ちいいなぁ)
なつみはあまりの心地よさに
うっとりしていた。