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白い指先と甘い吐息
第1章 校門と赤い車
「前髪がすこし伸びて目にかかってますね。
どれくらい切る?」

彼のしなやかな指が、なつみの額にすーっと触れた瞬間 
なつみの体には熱い電気のようなものがはしった。

「ああっ」

つい声を出してしまった。
なつみの声が聞こえたはずの貴史だったが 
何も聞こえなかったように
彼の指がそっとなつみの耳たぶに触れた。
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