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白い指先と甘い吐息
第8章 翳りゆくとき
「出来たらあなたから身を引いていただきたいの」
初枝の声に力がこもった。
「それは・・・」
「貴史は親の後と継いで店をやっているので、ある意味世間知らずなのよ。妻を亡くして、ようやく落ち着いてきたところなの。貴史の肩には、ほかの従業員たちの生活もかかっているのよ。
一時の感情で、それらすべてを壊してほしくないの」
「少し考えさせてください」
「貴史と別れることは、あなたの為でもあるのよ」
そういって、初枝は一枚の写真を見せた。