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欲望の行末 ~愛しのアンドロイド~
第2章

放課後。
連れて行かれたカラオケには確かにイケメンがそろっていた。
(眼福眼福~)
絢は特にやる気もなく、皆の話題に適度に相槌を打ちながら時間が経つのを待っていた。
「絢ちゃんって、大人しいんだね。俺、大人しい子大好き」
ふと斜めからそう声を掛けられ振り向くと、茶髪の男子ばかりの中で唯一黒髪のスポーツマンタイプの男子がこちらを見ていた。
「え、そ、そうですか」
いきなりの事に戸惑ってそう聞き返す絢に、横から直美が突っ込む。
「木内君、絢ったら彼氏いない歴一年なの。ちょっと引っ込み思案だけど性格良いよ。一回デートしてみたら?」
「ちょ、ちょっと直美!」
「へえ、じゃあケー番交換しよ」
絢があたふたしている間に、話がどんどん先へ進む。
「うん、しようしよう!!」
直美はそう言うと絢の手から携帯を取り上げ、赤外線通信で携帯番号を交換してしまった。
ぽかんとしている絢に他の男子が「こいつ、まじめでいい奴だからさ、頼むよ、絢ちゃん」と割り込んでくる。
「は、はあ……」
「じゃあ、カップル成立! 良かったね、絢、彼氏出来たよ!」
「ええぇ――!?」
まだ付き合うとも何とも言っていないのに、勝手にどんどん決められ、絢はパニックに陥る。
その様子に気付いた木内が絢をボックスの外に連れ出す。
立ち上がると木内は身長がすごく高いことに気付いた。
「あのさ、絢ちゃん。俺そんなにがっついてないから安心して」
「は、はい」
「だからさ、まずはボーイフレンドくらいから始められればと思ってるんだけど……」
木内はそう言ってにっこり笑った。
(あ……今の笑顔、祐二さんにちょっと似てる)
そう思った途端、絢の顔が火照る。
「は、はい。ボーイフレンドからなら……」
「やった。じゃあ、今週末、デートでもしない?」
「……はい」
「じゃあ、決まりね。電話するわ」
木内はそう言って絢の頭をポンと叩くと、お手洗いの方へ行ってしまった。
合コン終了後。
絢は酒を飲んでいないにも関わらず、ふらふらした足取りで帰宅した。
「絢様、どうされました?」
祐二が心配そうに膝を屈めて絢の顔を覗き込んでくる。

