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欲望の行末 ~愛しのアンドロイド~
第2章  

「……祐二さんの事が好きなの……ちょっとめんどくさいところや、構いすぎなところや、優しいところや……エッチでちょっと変態なところも……ぜんぶ全部、大好きなの!!」

絢は口から出るに任せて、大きな声で祐二に告白する。

周りから「まあ……」と非難めいた声があがり、そこで初めて絢は恥ずかしくなった。

しかし引き下がる訳にはいかず、さらに祐二にぎゅっと抱きつく。

「絢様……私はアンドロイドですよ……」

「いいのぉ……それでもいいの!」

「好きなの――っ!!」

駄々っ子の様にそう言い続ける絢に、祐二は大きく嘆息すると、泣き止むまでいつまでも背中をさすってくれていた。

電車を乗り継ぎ家に付いた頃には、日付が変わる時間になっていた。

絢は祐二に勧められてシャワーを浴びた後、祐二と面と向かう。

祐二は絢を落ち着かせようとハーブティーを入れてくれていたが、絢の気持ちはそんなもので落ち着くようなものではなかった。

「祐二さん……なんで心がないなんて、あんな嘘つくの……? 心が無ければ、ロックしなおす必要なんてないじゃない」

「絢様……」

「ねえ、どうして?」

問い詰める絢に祐二はしばらく黙り込んでいたが、視線を上げると意を決したように口を開いた。

「絢様……私は貴方と結婚することも……子供を授けることも出来ません」

「……知ってる」

「なのに、私は浅はかです……男として、貴女にして差し上げることが何も無いにも関わらず……絢様のボーイフレンドに嫉妬をしてしまいました」

「何が浅はかなの? 私は嬉しいよ!」

絢は力いっぱいそう言い切る。

「絢様?」

「私、ヤキモチ焼いて欲しかっただけなの……私が他の人とデートするって知ったら……だから、嬉しいんだよ」

絢はそう言うと、祐二の男らしい長い掌を取る。

そして自分の胸に押し当てた。

早鐘を打つ鼓動が祐二の掌に伝わっているのが絢にも分かり、さらにその鼓動は早くなる。

「ねえ、分かる? 私の心臓、バクバク言っている。これって祐二さんのせいなんだよ?」

「私の……?」

「うん。祐二さんの事を思うと、嬉しくて、切なくて……私はいっつも心臓バクバクものなんだよ?」

その言葉に吸い寄せられるように、祐二が絢の瞳を覗き込む。
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