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幸せの頂点
第10章 卑怯



「紫乃…?」


部長が私の顔を撫でて覗き込む。

私はその顔を見て笑う。

心配そうな顔。

何を心配してるの?

そう聞きたくなる可愛い顔。


「不安か?」


部長の質問に私の笑顔が強張る。


「うん…。」


貴方は避妊をしてくれない。

私は間違いなく貴方の子供を妊娠する。

今も私の太股には貴方が出した白濁液が流れ落ちてるのを感じるもの。

だから…。


「克と別れて来る。」

「ああ…。」

「少し、時間がかかるかもしれないけど…。」

「構わない。」


部長が私の額にまたキスをして私の気持ちを落ち着かせてくれる。


「神威は私に仕事を辞めさせたい?」


少しでも部長の事を知りたいと思う。

克と別れてから後悔とかしたくない。


「とりあえず仕事は紫乃の好きにしろ。無理だと俺が判断した時は辞めさせるけどな。」

「前にも怒鳴りつけて辞めさせてるから?」


貴方が好きだった人の事を知りたいと思う。


「何の事だ?」


とぼけた声…。


「前にも部長が怒鳴りつけて百貨店を辞めた人が居るって噂を聞いたの。」

「俺が仕事で怒鳴りつける奴は金子か三浦くらいで誰も辞めてねえよ?」

「高崎さんの奥さんは?」

「あれは、高崎が決めた事だからな。」


里緒ちゃんが見た人って誰だったんだろう。


「でも、女の人を部長が辞めてしまえって怒鳴りつけてたって聞いたよ。」

「俺は女には怒鳴らねえよ。紫乃には優しくしてやってんだろ。」


ふざけるように私の乳房を揉んで来る。


「んふふ…、やだ…止めてよ。」

「無理…、紫乃の可愛い顔が見たい。」


乳首にキスをして甘噛みする。

このままだと彼のベッドから出れなくなる。


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