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幸せの頂点
第10章 卑怯
彼の気が済むまでおっぱいをしゃぶらせた。
「そろそろ帰る。」
「送らないぞ。」
「うん…。」
「愛してる…。」
「私も…。」
ベッドを出ようとする私を捕まえて深いキスで繋ぎ止める。
「だめだってば…。」
「来週は自分でここに来い。」
「うん…、わかってる。」
私が不安なように部長も不安なんだと思う。
部長をベッドに残したままシャワーを浴びて部長に抱かれた痕跡を洗い流す。
苦痛を感じる。
帰りたくないと身体が反応する。
克と話をしなければ…。
部長を振り切るようにして部屋を出た。
夕食の買い物をして家に帰る。
今夜は早く帰ると克が言った。
話をしなければ…。
どんなに責められても仕方がない。
克の気が済むまで詰られる覚悟を決めて克の夕食の用意をする。
母はどうやって父と別れたのだろう?
私が克と暮らすからと家を出た数ヶ月後だった。
『母さんが出て行った。』
父からそんな連絡だけが来た。
慌てて母に連絡をしても
『ずっと考えてた事なの…。』
としか答えない。
気付けば父に対しても母に対しても疎遠になってた。
克はそんな私に
『僕達はそうならないようにしようね。』
と優しく笑うだけの人だった。
その克を私の身勝手で捨てる。
母のように…。
理由すら言えずに…。
最低で最悪の女だと自分に涙が出る。
「ごめんなさい…。」
まだ帰らぬ克に向かって何度もそう呟いた。
帰って来るはずだった。
早く帰ると言ってた。
なのに克は帰って来ない。
さすがに夜の11時を過ぎれば不安になって来る。
事故にでも会ったのだろうか?
慌てて携帯を握り締める。