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幸せの頂点
第11章 物欲



「その1本を盗んで来たの?」


拗ねた言い方をする私のスーツの上着を脱がせる。


「正当な報酬だ。紫乃は味わいたくないか?」


意地悪に笑いながらブラウスのボタンを外す。

希少なスパークリングワイン…。

シャンパンはあくまでもフランスのシャンパーニュ産のものであると定義されてる。

これはイタリア産。

ピンクゴールドの輝きを放つ年代物のスパークリングワインは是非に味わいたい1本だと思う。

私達は売り場を管理して売り上げを伸ばす。

時間のない私達の為に部長は情報集めに走り回る。

部長を超える商品を探せばと高崎さんや金子さんが言ってたけども、それはかなりの至難の技だと理解をしてしまえば必然とため息が出る。


「それは何のため息だ?」


私の背中から腰を抱いたままの部長が肌蹴たブラウスの前からブラジャーの隙間に向かって大きな手を差し入れて来る。

上から差し入れた手が鷲掴みにした乳房を揉みながら、うなじに軽くキスをする。


「なんかズルい…。」

「何が?」

「部長だけが自由に動き回れるって…。」

「その代わりに俺はお前らバイヤー5人分の仕事をしてるだろ?」


それが事実。

だから会社は部長に自由を与えてる。

部長の人差し指が私が乳首を転がすように捏ねくり回し始める。

窓に手を添えてはぁはぁと吐息を吐くたびに窓は白く鈍り出す。


「それよりも紫乃…。あの荷物はなんだ?」


耳元で囁くように聞いて来る。

部長の話を聞いたばかりだから部長の家に泊まりに来ましたと甘えた事が言えなくなる。

1人で恋に浮かれて子供っぽく喜んでた自分が恥ずかしくなった。


「出張する予定です。その事を部長に言う為にここに立ち寄っただけだもん。」


可愛くなれない女が見栄を張る。


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