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幸せの頂点
第11章 物欲



それは事実だと思う。

一流の料理人が作る最高クラスの食事の場合、ワインが良いだの日本酒が良いだののこだわりを持つのは愚問な気がする。

お料理好きな母はビール好きな父の為にと様々な酒の肴を用意した。

それは和食でもあり洋食でもあるという母のオリジナル料理ばかり。

そして、それはお酒が飲めなかった子供の私には普通の食事として美味しいと思えるものだった。

素敵なワインだからと気構えをする方が間違いだと部長が言う。

好きなものを好きなように食す。

食品を扱うバイヤーとしての味覚を信じろと笑う部長に心が満たされる感覚が好きだと思う。

一流の食が凝縮されたフロアを見て回る。


「このお店…。」


ある惣菜屋の前で立ち止まる。

惣菜屋というレベルで扱われるべきかと悩むほどの一流料亭の出店。

いや、一流の域を超えてるとまで言える老舗料亭の看板に私の目が釘付けにされてしまう。


「藤原か?」


部長がニヤニヤとする。


「この百貨店で扱われてるなんて…。」

「紫乃は食った事がないのか?」

「会員制料亭で一限お断りのお店にどうやって入れるのか教えて下さい。」


そりゃ部長ならば、こういうお店に入れるルートがあるのでしょうが一般ピープルな私には無理だと口を尖らせる。


「この百貨店で売られてる藤原の惣菜は誰でも買える商品だぞ。」


確かにそれもそうです。

だけどお値段も半端ないと思う。

大根の煮付けに1000円…。

茶碗蒸しが1500円…。

ミニ懐石として並べるだけで5000円以上になる価格設定は強気の価格だと目を見張る。


「藤原の蟹真薯は間違いなく旨い。」


部長のおすすめで真薯と大根の煮付けを購入する。


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