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幸せの頂点
第12章 食事
克の時は諦めていた気持ち…。
克とはすれ違いの生活なのだからと我慢する。
克ははしたなくベタベタする女が嫌い。
克と出来なかった全てを部長はさせてくれる。
急いでお風呂を済ませて再び部長のYシャツを着る。
彼の匂いがするYシャツはずっと彼の腕に抱かれてる錯覚を身体に感じさせて来る。
Yシャツを着ただけでピクリと乳首がそそり勃つ。
今から食事だというのに部長の愛撫を期待するいやらしい身体に腹が立つ。
「私って…、そんなに欲求不満だったの?」
鏡に映るエッチな女を睨んでた。
再びリビングを抜けてキッチンに向かえば有り得ない香りが漂ってる。
「部長…?」
「そこの空気清浄を最大にしてくれ…。」
言われた通りに壁に埋め込まれた空気清浄のリモコンのスイッチを最大に設定する。
「炭?」
キッチンで部長が小さな七輪を使い炭を起こしてるのが見える。
「肉を焼く。」
慣れた手付きで部長が飛騨牛を焼き始める。
重曹で即席のエイジングを受けたお肉をキッチンペーパーに包み、余計な味付けはせずに1つずつを丁寧に炭火で時間をかけて焼く。
「塩、取ってくれ。」
部長が棚を指差し、私は三種類の珍しい塩を目にする事になる。
いわゆる食塩は海塩。
その海塩とは違う岩塩が三種類。
アンデス、ヒマラヤ、モンゴル…。
岩塩の違いを考える。
アンデス産は下味に最適。
旨味を閉じ込める塩焼きに最適な岩塩。
モンゴル産は優しい味でサラダ向き。
ならばと私はヒマラヤ産を迷わずに選ぶ。
私の選択に満足するように部長がニヤリとする。
「さすがだな…。」
部長が褒めてくれるだけで自信が湧いて来る。