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幸せの頂点
第12章 食事
サディスティックを感じる。
傷付けるとかじゃない。
野生の獣が暫し獲物を弄ぶサディスティック。
逃げられず全身が縛られて感覚に悶える。
緊張感の中で与えられる快感に陶酔する。
いつも以上に敏感な私をだんだんとスピードを上げる部長が責めて来る。
気付けばいつものエイトビート…。
上半身だけを部長に向ければ部長の口が私の乳首を咥えて弄び、股間に当てられた手はギターのように指先でクリトリスを弾いてる。
「らめぇっ!」
「15回…。」
何度も襲い来るオーガニズムがカウントされる。
虎は獲物を襲う手を緩めはしないと学習する。
「そろそろ…、イキっ放しか?」
そう聞かれても何もわからない。
自分の喘ぎ声さえわからない。
耳に聞こえるのはズッチュズッチュといやらしいエイトビートの音楽だけ…。
合図を打つようなパンパンと肉と肉が当たる音が時折鳴る。
私のお尻に部長が当たる音なんだ。
奏でられる音楽の中で飛びそうな意識を必死に抱き締めて捕まえる。
「愛してる…。」
身体中を駆け巡る低い声が耳元で囁く。
「イークーッ…。」
「出すぞ…。」
「アンッアンッ…クアアァァァ…。」
獣の咆哮が聞こえる。
あれは私?
それとも部長?
暖かい…。
私を強く抱き締める腕…。
その腕の中から出たくないの…。
幸せの眠りに堕ちてた。
今の私は飾られた言葉よりも確かな温もりが一番の幸せだと思ってた。
幸せの翌朝は地獄…。
「紫乃…、遅刻するぞ。」
部長の言葉で飛び起きる。
人に遅刻と言いながら私の股間を部長の手がまさぐり出す。
「止めてっ!遅刻…。」
「起こしてやったのに可愛くないな…。」
部長が口を尖らせる。
「部長も遅刻でしょ!?」
「俺…、自由出勤…。」
重役出勤の話を思い出す。