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幸せの頂点
第12章 食事



「ひいぃぃっ!?」


悲鳴を上げるのは私だけ…。

シャワーを浴びて着替えをする。


「送ってやるから…。」


ジーンズにTシャツというラフな姿をした部長が車の鍵を見せてくれる。

この辺りはバスしかないらしい。


「お願いします!」


部長に懇願してマンションを飛び出した。

職場でみっともなく欠伸を繰り返す。

部長との一夜は体力がもたない…。

欠伸の合間にため息を吐く。


「阿久津さん…、疲れてんの?」


高崎さんが心配をしてくれる。


「休ませてあげたいけど…、連休は地獄だからな。」


ボールペンを咥えた金子さんが嘆く。

百貨店にとっては売り上げアップ月間だとプレッシャーがかかる連休は誰もが嘆きたくなると思う。


「金子さん…、ワインの事を聞きましたよ。おめでとうございます。」


嘆く同僚を励ます。


「ありがとう、俺も味見したけど、めちゃくちゃ良いワインなんよ。阿久津さんが欲しいなら1本キープしておくよ。」


金子さんの善意にアタフタする。

もう…、飲んじゃったとは言えない。


「そんなに良いワインか?」


高崎さんが聞く。


「スパークリングだし、軽くて爽やかで絶対に女の子向き。部長なんか女の為に貰ってくとか言ってアッサリと1本持って帰ったよ。」


金子さんの説明に私だけが俯く。

いちいち女の為とか言うな!カバオっ!


「部長…、マジに女が出来た?」


女性の話になると何故か三浦さんが参加する。


「部長は見栄を張るタイプじゃないからなぁ。マジに出来たっぽい。」

「へー、良かったな。高ちゃん。」


三浦さんが何故か高崎さんに嬉しそうな顔をする。


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