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幸せの頂点
第12章 食事
高崎さんは苦笑い。
「お前ら…、真面目に仕事しろよ。」
高崎さんが部長のように言うから誰もが口を閉じる。
そんな高崎さんに妙な感覚を感じる。
うちの部所で一番の年配者が高崎さんだと聞いた。
金子さん達は『高ちゃん』と親しげに呼びはするけども高崎さんの言う事にはすぐに従う。
部長の不在時は高崎さんが部長代理という暗黙の了解が成り立ってるのかもしれないとか考える。
睡魔と戦う1日。
ランチを一緒に過ごした里緒ちゃん達からも
「阿久津さん…、目の下のクマさんがやばいよ。」
とまで言われた。
へろへろの帰り道。
足取りが重く、部長の家に帰りたい気持ちが私を誘惑する。
部長の家に帰れるようになるには、とにかく克と話をしてからだ。
やたらと身体が重く頭までもぼんやりとする。
家に着けば克が叫ぶ。
「紫乃っ!またボロボロにされたのか?」
克の声が頭に響く。
「ごめん、先にお風呂にする。」
克から逃げるようにお風呂場へと飛び込む。
ああ…、やっぱり…。
とか考える。
月経が始まった。
ある意味はホッとする。
このまま部長と付き合っていくつもりなら産婦人科でピルを貰わなければ…。
部長が避妊をしないのは仕事を続けたいという意思があるなら自分で避妊しろって意味なのだろう。
彼は私に選択権の全て与える人だ。
私は自由…。
部長は私を束縛しない。
もしも私が部長を縛りたいなら私には妊娠という選択肢を与えられている。
その為にも克とは別れるべきだ。
ぼんやりとした頭で必死に考える。
今までに酷い生理痛などで悩まされた経験はない。
その代わりに始まった瞬間だけ多少の頭痛を感じる事がある。
ただ身体が疲れきってる。