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幸せの頂点
第13章 安泰



この百貨店…。

本当に大丈夫?

高崎さんと2人で不安な顔を見合わせる。


「部長って、あんな仕事までさせられてるの?」


私の質問に高崎さんが苦笑いをする。


「社長としては地下食品売り場のフロアマネージャーを希望してるらしい。それなら涼香お嬢様のサポートに部長を付ける事が出来るからね。」


高崎さんの説明になるほどとは思う。

他所の階のフロアマネージャーにお嬢様が就職した場合は前任のフロアマネージャーがお嬢様をサポートする事になる。

当然、そのフロアの売り上げが下がれば社長とはいえお嬢様に責任を追求する事になる。

だけど地下食品売り場だけは部長が居る。

確実な売り上げを齎す敏腕バイヤーの部長と、そのサポートを任された5人のバイヤーが存在する。

お嬢様は遊んでても売り上げは安泰だ。

お嬢様の就職なんて迷惑極まりない話だと高崎さんと2人でため息を吐いた。

仕事を済ませて家に帰る。

今夜も克は外食だと考える。

私が生理中は気を使って克は外で夕食を済ませて来る事が多い。

しかも、今回は私がキレた。

あれから克の方が私とのすれ違いを作ろうとしてるようにも感じる。

出張から帰れば克と話をして、この部屋を出なければとか悩む事が増えた。

さすがに部長の部屋に転がり込むのはどうかと自分でも思う。

新しい部屋を探さなきゃ…。

今は克が家賃を負担してる。

私の負担は光熱費。

食費や自分が欲しいものは自己負担。

但し、克と2人で買い物に出た時は克が全てを払ってくれてた。

克の方が収入が高かったから…。

この先は自分の収入でやり繰りを考える。

バイヤーである以上、個人経費の負担もある。


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