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幸せの頂点
第16章 決意



美人というよりも可愛らしいという母。

あんな風に笑ってるのを見るのは何年ぶりだろう。

その後も入れ替わり立ち替わりと母の食事を目当てのお客様が途切れる事なく入って来る。

食事の終わった私が居場所を失くすと母がカウンターの中に入って来いと言う。

結局、閉店まで母のお店に居た。

2人でお店の片付けをする。


「泊まってく?」


私と話がしたいと母が私を引き止める。

今はお店の2階で独り暮らしの母は寂しいのかもしれないと感じた。


「心配すると思うからお父さんに連絡する。」

「今は紫乃がお父さんの家に帰ってるんだってね。」

「うん…。」


克と別れた事を母は父から聞いてる。

お店を閉めてから2階へ母と上がる。

小さな台所に和室の部屋が2つ。

ほとんど何もない部屋だ。

小さなガラステーブルを挟んで母と座る。


「なんで、お父さんと別れたの?」


何もない部屋で独りで暮らす母が本当に幸せなのかが知りたかった。


「紫乃が出て行ってからね。お父さんがずっと無言のままになっちゃったの。」


母が寂しい顔をする。

元々が口数の少ない父だから、それはいつもの事じゃないのと母に少し呆れる。


「でもね。このお店を始めたらお母さんのご飯を『美味しかった、ご馳走様。』って言ってくれる人がたくさん来てくれるようになったの。」

「それだけ?」

「うん、お父さんもこのお店では帰る時に必ずそう言ってくれるのよ。」

「そんなの家でも、ちゃんとお父さんに言って貰えば済む事じゃない。」

「それだと意味がないって気付いたのよ。ずっとお父さんの為にご飯を作って来たからお父さんには美味しくて当たり前なんだもん。」

「だからって離婚までする?」


自分が作る料理を美味しいと言われたかっただけで離婚したという母が理解出来ない。


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