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幸せの頂点
第16章 決意



翌朝、私の携帯が鳴る。


「出ないの?」


朝食の用意をする母が怪訝な表情で私を見る。

着信は部長…。


「うん…。」


わざと無視をした。

今の私は部長に嫌味しか言えないと思ったから…。

私は克と決着を着けたわよ。

今度はそっちが決着を着けなさいよ。

届かない思いを携帯にぶつける。

部長は佐丸の跡取り…。

梨花さんへの思いを抱いたまま涼香お嬢様と結婚でもするのだろう。

そこに私なんかが入れる余地はない。

久しぶりに母と買い物をする。

母にトマトと茄子の話をしたら、是非に欲しいと言い出した。


「阿久津さん?今日は休みじゃなかった?」


母と百貨店に行けば高崎さんが私を見て不思議そうな顔をする。


「今日は母とお買い物です。」

「またお客様?そんなに百貨店が好きなの?」

「好きですよ。」


どれだけ男と別れて振られたとしても百貨店での仕事は辞められないと思う。


「今の人が部長さん?」


高崎さんが私から離れると興味津々に顔を輝かせて母が聞いて来る。


「今のは高崎さんって先輩、部長はもっと熊みたいな人よ。」

「紫乃は熊さんが好みなの?」

「別に好みじゃないわよっ!」


考えたらなんで部長を好きだと思ったのだろう。

見た目は熊。

根性は虎。

態度はぶっきらぼうで偉そうな俺様。

売り場やバックヤードをブルトーザーのように駆け回る人…。

身体の芯に響く声…。

あの声に惹かれた。

大きな背中について行きたいと願った。

まだ、あの人の手の温もりを身体が覚えてる。

それを思い出すだけで涙が出そうになるから私はあの人を忘れようと努力する。



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