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幸せの頂点
第16章 決意



忘れたかった温もりが一気に私の身体中へと広がっていく。

勝手に寄って来る女にもう用はないでしょ?

そう言ってやりたいのに私の腕が勝手に部長の背中に巻き付いてしまう。

涙が出た。

やっぱり、彼が好きなの…。

身分違いで他の女の人が好きな男なのに…。

私は部長が好きだと思う。


「なんで泣く?」


部長がぶっきらぼうに聞いて来る。


「部長が嫌いだから…。」

「俺のせいか?」


部長が目を丸くする。


「何の用ですか?」


ゆっくりと部長から身体を離して聞いた。


「近々、この百貨店を辞めると思う。」

「佐丸で再就職する為に?」


私の質問に部長が更に驚きの表情を見せる。


「色々とあるんだよ。梨花も仕事に戻れるなら戻りたいって言ってるし…。」

「高崎さんの奥様が?」


梨花さんの為にこの百貨店を辞める。

金子さんが部長は何でも梨花さんの言う事を聞く人だと言ってた意味がわかって来た。

きっと部長は親の七光りを言われるのが嫌でお義父様が社長を務める佐丸での就職を選ばなかった。

だけど梨花さんを仕事に戻し自分の手元に置くには自由が効く佐丸に帰るしかない。


「紫乃は…、どうする?」


自信なさげに部長が聞く。

自信過剰な部長が梨花さんの為に自信を失くした言い方をするとか気分が悪いと感じる。


「どうもしませんよ。私はこのまま、この百貨店で働くだけです。」

「そうじゃなくて…。」

「仕事の邪魔です。」


私から部長を突き放す。

今は、情けない顔で私を見る部長に嫌悪感すら感じてしまう。

なんでも梨花さんの為…。

そんな部長が私に何を求めてるの?

私は私で居たいと望む。


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