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幸せの頂点
第18章 就職



今の状況では間違いなく私の幸せには程遠い。

お義父様と部長の関係修復がされない限り、俺様な部長は無職のニートにもなりかねない。

そんな状況だというのに部長はビールを飲みながら平然と私のお尻に触って来る。

無職の男に妊娠させられるのは流石にどうなの?

とか考えちゃう。


「食事中だから止めて…。」


言い訳をして部長の手から逃げる。


「食事中じゃなくても触らせようとしねえだろ?」

「そんなつもりはないわ。」

「嘘を言うな。紫乃は俺が佐丸のバイヤーに収まるまでは触らせる気がねえんだろ。」

「わかってるなら…。」

「だから佐丸の創立祭には行ってやる。但し、親父に頭を下げるとかはお断りだと言ってる。」


結局はこの話を堂々巡りしてしまう。

せっかくの休暇なのに…。

こんな風に部長を追い詰めてる自分に悲しくなる。


「その顔は勘弁してくれ…。」


私が泣きそうな顔をすれば私から目を逸らして部長が天を仰ぐ。


「ブスだから?」

「俺がブスにしてるって言いたいんだろ?」


部長だって、ちゃんとわかってくれてる。

佐丸の創立祭は来週だ。


「とにかく佐丸の創立祭には一緒に私と行ってくれるんだよね?」


お義父様との一件はともかく創立祭に行けば他の百貨店の社長や関係者も来てるはずだからと、これ以上は部長を責める態度を止めにする。


「紫乃となら行く。それは約束だからな。」


私となら行ってくれる。

約束はきちんと守ってくれる人。


「一緒に行ってくれるなら、それでいいよ。」


部長のシャツをそっと握れば部長がしっかりと私を引き寄せる。


「風呂…、入るか?」


首筋にキスをした部長が囁いた。


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