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幸せの頂点
第22章 頂点
強面の父親似というちょっと残念な優男の昴君…。
対照的に父親である神威には全く似なかった香耶は昴君には高嶺の華だと梓さんがよく冗談で言う。
林檎のように真っ赤な唇。
色白で透けるような素肌。
派手な顔立ちで大きな二重まぶたの瞳をパチパチと瞬きさせるだけで父親の神威も、その更に父親で香耶の祖父である会長までもを虜にする美少女。
その香耶に僅か3歳で一目惚れをした昴君は出会って1時間という期間で香耶にプロポーズをしたおマセさんな男の子。
以来、昴君は香耶の為にと必死に尽くし、まるで香耶の奴隷にすら見えて来る。
「それだけじゃないでしょっ!」
俺様香耶は偉そうに神威に抱かれたまま昴君に向かって叫び出す。
「「まだあるのか?」」
神威と曽我社長が呆れたように同時に言う。
少し赤い顔をする昴君が情けなく俯いて呟いた。
「だから…、香耶ちゃんに僕がチューしようとしたら香耶ちゃんに叩かれた。」
昴君の言葉に梓さんが固まった。
「あのなぁ…、昴。そんな事したら香耶ちゃんが怒って当たり前だぞ。」
曽我社長が昴君を叱り出す。
「だってパパとママは毎日仲良しする為にチューするじゃんっ!」
昴君は必死に訴える。
「昴っ!?」
梓さんがムンクの叫びのような表情で顔に両手を当てて青ざめる。
「昴って馬鹿じゃないの?うちのパパとママの場合はパパがママにチューしようとしたらママが怒ってパパを叩いてるよ。」
鼻をフフンと鳴らして香耶が言う。
「香耶っ!?」
今度は私が青ざめる番だった。
曽我社長は昴君のように赤い顔をして宙を仰ぎ、呑気な神威はひたすらニヤニヤとしていやらしい顔を繰り返す。
要するに結婚から5年が経つ今も曽我家は常にラブラブで昴君の前でキスをする夫婦。
昴君はその両親の真似をして香耶と仲良くしたいとキスを迫り叩かれた。