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幸せの頂点
第3章 失敗
泣き言を言う女だったら部長は私をバイヤーとして認めずに切り捨てる予定だったのだろう。
今日は初日だった。
部長は私がどの程度の人間かを試したんだ。
私は部長のテストに合格はしたらしい。
やり手で仕事に厳しい部長なのだとは理解をした。
だから私が結婚とかして、すぐに退職するつもりならバイヤーとして育てても意味がないと始めに確認をして来たんだ。
私が一週間以上かけてやる仕事を1日で駆け抜ける事が出来る人。
とんでもない部長に必死について行く覚悟が必要なんだと改めて思う。
黙ったまま部長と歩き続け、1時間ほど歩いた先にポツリと灯りが見えた。
下品なモーテルのネオン…。
同じような造りの小屋がズラリと並んでる。
下は車1台分の駐車場で、その横の階段の上に部屋に入る扉が見える。
さすがにモーテルには抵抗を感じる。
しかも部長と入るとか、仕事であってもお断りしたいとか思っちゃう。
「部屋は別々ですよね?」
思わず部長に確認する。
「経費として落とす自信があるのか?」
部長がニヤリと笑う。
モーテルの領収書を会社に出すのは恥ずかしい。
「自腹を切ります。」
「めんどくせえ…、嫌がる女をレイプなんぞする趣味はねえよ。」
ぶっきらぼうに言うと部長が私の腕を握り、ズラリと並ぶ小屋の1つに入って行く。
「レイプって!?」
まさかの言葉にアタフタする。
まるで私が期待してるみたいに聞こえる。
ジタバタするうちに階段を上がり部屋の中に放り込まれてた。
入り口を入り短い廊下を抜ければガラス張りで中が丸見えのお風呂とトイレがあり、そのガラスの向こう側にダブルベッドがある狭い部屋が見える。