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幸せの頂点
第3章 失敗



『アァン…、アァン…、もっと…、またイッちゃうからぁぁぁ…。』


テレビの中で裸の女性が叫んでる。

裸の男が女性の蜜部に男性性器を型取ったバイブをズボズボを出し入れする画面が写ってる。


「部長っ!?」

「俺はこれを見てる。だから、さっさとトイレと風呂を済ませて来い。」


私に背を向けてテレビ画面を部長が見る。

ガラス張りの浴室には背を向けたままになる。

ボリュームも上げて浴室の音が聞こえないようにしてくれてる。

乱雑でぶっきらぼうだけど私に気遣いを見せる部長を信用するしかない。

浴室の前で服を脱ぎ、とにかくトイレを済ませた。

部屋から差し込む灯りがあるからと浴室側の電気を付けずにシャワーを浴びて身体の汚れを落とす。

下着の替えがないのは仕方がないと諦めてモーテルにあった浴衣を着る。

ドライヤーで髪を乾かす間も壁に付けられたスピーカーからアンアンと喘ぎ声が響き渡る。

切なく快感を求める声に私の顔が熱くなる。

なんで私が赤くなるのよ…。

無性に腹が立って来る。


「部長、もう…、いいですよ。」


テレビのボリュームを下げさせようとベッドに向かって叫ぶ。


「はあ?」


ボリュームが大き過ぎて私の声が部長に届かない。


「だから…、って!?」


ベッドに近付いた私の顔が強張った。


「部長っ!?」


意外と紳士かもと信じた私が馬鹿だった。


「んあ?」


トランク1枚というはしたない姿で部長がベッドの上で胡坐をかいて座ってる。

私の声を聞き取ろうとテレビのボリュームをゆっくりと下げて私を見る。


「なんか言ったか?」

「服を着て下さい!」


部長から顔を背けて叫んでた。


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