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幸せの頂点
第4章 絶頂
身体を起こせばニュルりと体内から部長が出したものが流れ落ちる。
部長に弄ばれた身体…。
しかも、中出しのヤリ逃げをされた状況…。
そして克への背徳感が襲って来る。
ベッドの上部に設置されたテレビや照明をコントロールするパネルの傍にメモがある。
『先に帰れ…。』
タクシーチケットと1枚のメモを残した部長はもう居ないのだと思うだけで涙が浮かんで来る。
馬鹿な女だと思われた。
本当に馬鹿な事をした。
出会ったばかりの男の愛撫に溺れて女の頂点を何度も味わい悦んだ。
部長にどんな顔をすべきかを悩む。
それよりも、克に会わせる顔がない。
いつまでもメソメソと泣いてられるはずもなく、シャワーを浴びてタクシーを呼ぶ。
モーテルの部屋に設置されたタクシー会社直通の電話は恥ずかしくて使えないからと携帯から電話をしたけれどもタクシー会社からは
『どちらに迎えに行けばいいですか?』
と聞かれてモーテルしか目印になる建物がない事実に気付くとまたしても泣きたくなる。
モーテルを出てタクシーを待つ。
迎えに来た運転手さんがボロボロの私を不思議そうに見る。
「東京に戻れる駅までお願いします。」
モーテルで男に置いて行かれた女だと思われるのが恥ずかしくて運転手さんの顔が見られない。
「東京から来られたのですか?」
「はい、夕べは終電がなくなってしまって…。」
「そりゃ大変だったでしょ?この辺りじゃ、あのモーテルしかないからねぇ。」
運転手さんは私がモーテルに1人で泊まったと思ってるらしい。
あのモーテルは1人で泊まる人ばかりだと話をしてくれる。
運転手さんの話で逆に部長が居なくて良かったのかもしれないとか考える。