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幸せの頂点
第6章 部屋
初めて見た…。
下の階を飛ばす高速エレベーター…。
降りる階を指定するボタンが31階から上にしかない。
しかも40階を部長が押す。
部長はずっと私の手を握ったままだ。
私の指と指の間に部長の指が挟まる形で握ってるから部長の指の太さに私の指が痛くなる。
エレベーターの壁に身体が押し付けられる。
部長の太股が私のスカートの上から股間をグリグリと押して来る。
手は握られたまま…。
もう片方の手が私の顔を撫でる。
「あれから彼氏とやらとは寝たのか?」
嫌そうな顔で聞いて来る。
部長には関係ない。
そう答える事が出来ずに、また俯く。
「まだ俺の紫乃か…。」
部長がニヤリと笑う。
「違っ…!?」
違います。
否定する言葉を拒否するように部長の唇が私の唇を塞いでしまう。
長いキスが続いた。
エレベーターが目的地に到着しない気がする。
口を開かされて部長の舌が私の口の中を掻き回して来るキス…。
息も出来ずに舌を少し出せば、あっという間に部長の舌に絡み取られてしまう。
「はぁ…。」
息を吸いたくて部長にしがみつく。
やっとエレベーターが目的の階に着くと部長が私にキスを繰り返しながらエレベーターから降ろす。
訳がわからないまま部長の部屋に入ってた。
玄関で壁に押し付けられる。
「部長っ!」
「だから、何を怒ってる?」
とぼけたように聞いて来る。
私の顔をゆっくりと撫でる。
怒ってる?
私が?
だって私には克が居るのに…。
部長が私の心を乱す。
「止めて下さい…。」
振り絞る声で部長を拒否する。
「止めねえ…。」
「何で!?」
「紫乃は俺の女だ。」
唖然とした。
一夜を共にしただけの関係のはず…。
私には克が居る。