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幸せの頂点
第7章 軽蔑
少し前はそれで満足だった。
今は私の身体に残る部長の跡を消して欲しいと克に願ってしまう。
身勝手で我儘な私の欲望。
克で間違いないのだと信じたい。
克と居るのが私の幸せだと枷を掛けてしまえば部長に迷う事など無くなるはずだと思い込む。
「克…。」
自分の身体を克に密着させて擦り寄せる。
「紫乃…、挿れていい?」
ゆっくりと私の股間を撫でる克が確認する。
気持ちの昂りを感じない。
克に対する期待が強すぎたせいか…。
ほとんど濡れないという正直な身体を恨みたい気分が押し寄せる。
「来て…。」
それでも克を受け入れたい。
あの人の形にされた私を変えて欲しい。
元の克の恋人に戻りたいの…。
最低な女から逃げる為にそれを望む。
克で全てを忘れて幸せだった自分に戻れれば大丈夫だという身勝手な考え方。
コンドームを付ける克を見て安心する。
克は私を大切にしてくれる。
それが女の幸せだと思う。
私に被さる克を抱き締める。
蜜壷の入り口を探す克が焦れったい。
肉棒の先が穴に触れた瞬間、私から腰を突き上げて克を導く。
「紫乃っ!」
半分だけ収まっただけで興奮する克が呻く。
私の手をそっと握り克が円舞曲を踊り出す。
耳慣れたベッドの軋み…。
円を描くように動く克の腰。
ぴったりと私の体内に収まる克。
圧迫感は感じない。
コンコンとリズムを崩す事なく子宮をノックする。
克と1つになる。
嬉しいはずなのに…。
物足りないと私の身体が疼き出す。
「紫乃…、愛してる。」
優しく囁く声が好きだった。
輝いて見える克が誇りに思えた。