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幸せの頂点
第7章 軽蔑



もっと…。

激しく…。

あいつを忘れるほどに…。


「克…。」


貪欲な身体が克を更に飲み込もうと腰を突き上げる。

胸を克の身体に擦り付けて僅かでも快感を求めようとしてしまう。

足りないの…。

克の全てが欲しいの…。

あの人の愛撫を忘れる為に…。

克の円舞曲のリズムを掻き消すエイトビートのリズムで私の腰が動き出す。

はしたなく下品に克を求めて悶える。


「紫乃っ!イクッ!」


私の動きを止めるように私を強く抱き締める。

私は…。

最低だ…。

克にあの人のような愛撫を求めてしまった。

優しいだけの克…。

克で私の貪欲に乾いた心はもう埋められない。

満たされなかった身体。

一度、芽生えた女の悦びは打ち消せない。

克を覚え直した身体がもう一度あの人を求めて熱して来る。

後始末をした克が幸せそうに笑う。


「今夜の紫乃…、激しくて驚いたよ。」


恥ずかしげにはにかむ克を見て胸が苦しくなる。

あの人を愛してる…。

その現実を叩きつけられただけの夜。

満足をした克の腕の中で眠る。

今すぐにベッドを飛び出したい自分を感じてた。

あの人の家に行き狂うほどに抱かれたいと願う自分が悲しかった。

克では感じなかった身体なのに…。

あの人を思うだけパンティーの中が湿りを帯びる。

そっとパンティーの中へ自分の手を忍ばせる。

克の腕の中で…。

私はあの人を思いながら自分を慰める。

あの人が触るように私の指先がクリトリスに触れる。

エイトビートで円を描き揺さぶるクリトリスから突き上げる快感に悶える。

歯を食い縛り、その波をギリギリまで堪える。

克に気付かれたらどうしよう?

穢れた淫らな女をきっと克は軽蔑する。


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