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幸せの頂点
第9章 感覚
ブルトーザーを思わせる傍若無人な部長は婦人服売り場を闊歩する。
「部長っ!」
情けない表情で俺様のお供をする女。
ビクビクと怯えながら部長の後ろを歩けば部長の広い背中しか見えずに自分がどこに居るのかすらわからなくなっていく。
「選べ…。」
部長が唸る。
「へ?」
自分の周りを見渡した。
店内で所狭しと並ぶヒラヒラのランジェリー達に私の顔が引き攣る。
マジにパンツを買いに来た!?
「あら?来たの?」
そう言って店の奥から女性店員が現れる。
スラリと背の高いゴージャス美人。
キリッとした口元。
クッキリと開かれた大きな瞳。
スタイルはボンキュッボン!
同じ人間とは思えないと彼女に見蕩れてしまう。
ただ…。
なんとなく威圧感を感じる。
どこかで感じた覚えがある威圧感。
「ほら、これなんぞ、どうだ?」
部長が両手の人差し指を立てる。
その指に橋渡しするように掛かるキンキラキンな金色のTバックパンティーがビロンと広がる。
「止めて下さいっ!」
部長の手からパンティーをもぎ取る。
「駄目か?」
部長が女性店員の方を見る。
「てか、部長はこの店から出てって下さいっ!」
私だけが部長に叫ぶ。
「へ?なんで?」
「基本的にランジェリーショップは男性の立ち入り禁止です。」
部長はやっぱり女性店員の方を見る。
「そうなのか?」
「そういうショップも多いけど…、うちはご夫婦で買いに来られるお客様が多いから大丈夫よ。」
ゴージャスな美人がニッコリとしながらも私を見下ろし威圧的な笑顔を見せる。
「だってさ。」
どうだ参ったかと部長が私に向かって胸を張って鼻を鳴らす。