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スキンのアンニュイから作品を作ってみませんか?
第4章 月乃 朔夜 様【青い空。】
「記憶は思い出せないけど、他は普通」
「そっか。普通か。」
ベッドに頬杖をついてジッと見てくる。
つい視線をずらしてしまった。
あ、しまったーーーと思ってもう一度先生を見る。
ベッドに腕を投げやり顎を乗せて上目遣いで見られた。
術着なのか半袖から覗く腕はかなり筋肉質。背はそんなに高くないけど、体格は男なら憧れる。
って、俺は男の何を見てるんだ……。
「早く思い出すといいな。」
頭をポンポンと撫でられる。
ドキっーーー。
何だ、これ。前にもこんな風にされたこと、ある?
「さて俺は帰るかな。」
じゃっ、と手を挙げ病室を出る。
後ろ姿が不思議と寂しそうに見えた。
「……っ、頭いてえ。」
無理に思い出すと身体に悪影響だから、ゆっくりでいい。
先生にそう言われたのを思い出して頭から布団を被った。
何だろ、大切な何かを忘れてる気がする。
だけど、思い出せない。思い出したくない?
夢を見た。
必死に誰かの手を掴もうとする夢。
ボヤけて顔も姿も曖昧で誰かわからない。
ふと目が醒めると折れてない方の手を天井に伸ばしていた。
その手を下ろし顔の方へ持っていくと。