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スキンのアンニュイから作品を作ってみませんか?
第4章 月乃 朔夜 様【青い空。】
『龍斗の記憶がなくて安心もしたけど、つき合ってたのを忘れられたままは辛い。早く俺のことを思い出してくれるといいな』
「……ゆう、た」
そのメッセージを読んだからか、頭の中が急にクリアになる。
忘れていた色々なことが思い出される。
というか、映像に近い感じで流れ込む。
そうだ。
俺は雄太に会えなくて、それが淋しくて。
せめて誕生日だけは会いたかったのに会えなくて……。
思い出した記憶と共に雄太からの最後に聞いた言葉も蘇る。
「学生同士のがいいんじゃないか」
そんなわけないのに。
会える頻度は少なくても俺は誰でもいいわけじゃなくて、雄太しかダメなのに。
会いたい。
時刻は17時を過ぎている。
俺は雄太へ電話をかけた。
「……はい。」
「今日会った笹原先生だよね。記憶戻ったよ。」
「……え?」
「だから、記憶戻ったんだよ! 雄太からのラインで。」
「え、あ、そーなの? マジ、で?」
「うん。マジで。雄太、ごめんね。会いたい。」
「俺も……。俺も龍斗に会いたいっ!」