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寝とらせ白書①/妻が他人に抱かれる時
第2章 カミングアウト
「それ本気で言ってる?馬鹿みたい」と、詩織がキレはじめた。
「詩織が可愛いから見たいと思うのは自然だろ?」
「てか、普通は見たいんじゃなくヤりたくなるんでしょうが!」
詩織のナイス突っ込み。
「いや…だってAVは自分のタイプの女優を借りるじゃん?あれは好きな女のセックスを見たいからだろ?」
「じゃ、アナタは私が浮気しても平気って事?」
「浮気とは違うだろ」
「目の前でエッチしても平気でいられるんだ?」
詩織が語気を強めて叫ぶ。
「平気じゃねーよ……、興奮するんだよ!」
「バカっ!!訳わかんない事言わないで!この変態!」
詩織のヒステリー度は僕の数少ない女性遍歴の中でダントツだ。
二人は無言になり室内に嫌なムードが漂った。
だが、実はここまでも俺の読みどうりだった。
詩織は今、 僕に対し怒り・失望・絶望・憎しみといった感情が湧いているであろう。
確かにいい気はしない。
だが、僕への感情も落ちるとこまで落ちれば後は僕の態度次第で上がるだけだ。
「ごめんよ……俺が変態なのはわかってるんだ。 でもそのまま黙って聞いてくれ」
沈黙を破り僕は詩織に語り始めた。
二人が離婚寸前まで冷めた事、今まで詩織の過酷な仕事を理解できず育児も家事も任せきりだった事、
全ての責任は俺にあると謝罪した。
そして、これからは育児、家事にと積極的に参加して詩織に負担はかけないつもりだと説明した。
「ホッント今までごめん!!!」
鬼の形相の詩織に頭を下げ 謝った。
<ふふ…肉を斬らせて骨を断つとはこのことよ>
言葉とは逆に心の中でシナリオどうりの展開に満足していた。
女を口説くには
“一押し二押し三に押し、押して駄目なら引いてみな”
営業もそうだけど、これ鉄則ね。
最後の仕上げ、僕は引きに出た。
後は詩織次第、人事を尽くし天命を待つのみだ!