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寝とらせ白書①/妻が他人に抱かれる時
第5章 浅倉氏登場
朝の渋滞も終わり国道はスムーズに流れる。
車内を照らす陽射しに、妻はたまらずエアコンのスイッチをいれた───
冒頭のシーンである。
木陰に車を停めて俺達は浅倉氏を待っている。
俺は持ってきたデジカメを取り出し、念入りに点検した。
そのデジカメは写真はもちろん、ムービーも撮影可能だ。
「エロオヤジ」
詩織が俺を冷やかす。
“ブイーンブーン”
きた!浅倉氏の着信音だ。
「ワタシの相手は蚊ですか?」
笑いながら突っ込む詩織。機嫌は悪くはないようだ。
『駐車場に到着しましたよ』
『おはようございます。宝くじ売り場が見える屋外駐車場の木の下に停まっています。白の軽です』
いよいよ目の前に詩織を抱く浅倉氏が現れる。
緊張と興奮……MAXハイテンションだぜ。
詩織はルームミラーで髪の毛と化粧のチェックをコソコソとしている。
“ブイーンブーン”
『了解です。今向かいます』
やがて、一台の車がこちらにゆっくり近づいて来るのが確認できた。
真夏の陽射しを眩しく跳ね返すパールホワイトのボディ、男なら皆憧れる某高級セダンだ。
高級セダンは俺の軽を邪魔だと言わんばかりに、眩しいテールを向けバックで俺の横に停まった。
エンジンが泊まり男が一人降りる。
この人か……。
なんとも言い様のない緊張感に包まれた。
車を降り男の元へ向かうと、彼は爽やかな笑顔で口を開いた。
「はじめまして、浅倉です」
ドクンと胸が鳴る。
無理もない、これから妻を抱く男が目の前にいるのだから。