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寝とらせ白書①/妻が他人に抱かれる時
第2章 カミングアウト
悶々とした日々が続き、詩織を説得する妙案も浮かばず僕は困っていた。
なにしろ会話の無い夫婦である。
いきなり下系の話を切り出すのも照れる。
そんななか、僕達夫婦に転機が訪れた。
「ワタシ、今の病院やめようかと思うんだけど」
詩織が相談をもちかけてきた。
確かに、只でさえ小さな子供を育てながらの共働きはつらい。
しかも、詩織は日勤、夜勤をこなす病棟勤務の看護師だ。
詩織が僕と出会うまで独身でいたのは多分にこの過酷な労働環境が影響していたと容易に推察できる。
それに、僕達がセックスレスになり愛情を失っていったのも、すれ違いの勤務時間のせいかもしれない。
「日勤だけの病院探そうかと思うんだ」
僕達は久しぶりに夫婦らしい会話をした。
以前の僕なら
「好きにすれば」
の一言で終わっていただろう。
この時も、正直そう思っていたのだが大事を控えた僕は詩織をいたわり、励まし、職場の愚痴を延々と聞いてあげた。
皮肉な事に、詩織を他人に抱かせたい──という禁断の欲望に支配された今の僕のほうが詩織に対し優しくなれると気付いた。
この日以来、夫婦の会話も少しだが増え冷却された夫婦関係もわずかに温かくなった。
詩織との間が近づくと、僕の欲望はますます大きくなっていった。
『詩織と他人のセックスを目の前で見たい、他人に抱かれ悶え狂う詩織を見てみたい!』
と─────。