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寝とらせ白書①/妻が他人に抱かれる時
第2章 カミングアウト


 某日、僕は有給休暇願いを出し、代償に遅くまでの残業を与えられた。

夜10時──────

 書類の山を片付け愛飲のケントマイルドをくわえながら詩織にメールを送った。

『近くに露天風呂付きのラブホあるらしいんだけど、久しぶりに行ってみない?』

 露天風呂好きの詩織をラブホに誘うには絶好の口実である。
僕は詩織をラブホで説得すると決めていた。
家で“お前が抱かれている姿を見たい”なんて話をすれば詩織にはいくらでも逃げ場がある。
だが、ラブホ内なら雰囲気も違うし久しぶりのセックスをすれば詩織のエロモードだって上がるはず。
成功の確率は上がると読んだわけだ。

 送信ボタンを押した後、緊張と興奮で僕はたまらずくわえていたケントマイルドに火をつけた。
ほどなく詩織から返信があり

『ホテル代は出してね』

愛想もムードも無い淡白な返事だが一応OKはでた。

セックスは淡白じゃ済まないぜぃ〜
と、僕はニヤリとスケベな笑みを浮かべながら吸ったばかりのケントマイルドをギュッと灰皿にネジネジし帰路についた。

頑張れ俺!


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