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第4章 弓張月(ゆみはりづき)

「へえ~~、凄い精神力。いつも終電ギリギリなのに」

笑った木崎の顔が急に曇る。

「高嶋先生、大丈夫かな。契約書を無くすなんて、先生らしくない……」

「ええ、何もかもお独りで対処するとおっしゃって……」

雅は眉尻を下げ、心配をしている表情を作って見せる。

雅はてっきり敦子は自分を当てにすると思っていたのだ。

そうすれば敦子に貸しを作ることが出来るし、兄にもそういう女なのだと示せるはずだった。

沈黙が二人の間に漂っていると敦子のデスクの電話がなり、木崎が出る。

「はい、ユナイテッド弁護士法人……あ、高嶋先生? ……はい、はい……ちょっと待って下さいね」

敦子からの電話らしく、木崎は敦子のパソコンを操作し出した。

「高嶋先生、ログインパスは……はい……あ~~、アグリコルバンクからメール来ています。じゃあこの資料を揃えて、先方へ送っておきますね……はい、では」

電話を切った木崎は、ちょっとゆっくりしていてね、と雅に言い残し部屋を出ていった。

雅はすぐ立ち上がると、パソコンの画面を覗き込む。

ログインパスワードでログインされ、メールソフトが開きっぱなしになっていた。

(個人情報を扱う弁護士事務所なのに、ログオフしておかないなんて――)

雅は受信フォルダの直下に鴨志田関連のフォルダが幾つもある事に気づき、マウスを使ってそれぞれのフォルダを見ていく。

(何か使えるネタはないかしら――)

『You Gat a Mail』

結構大きな受信音に、雅はびくっと反応してしまう。

受信フォルダを開けるが何も届いておらず、直下の『鴨志田買収』というフォルダが『未読 一』となっていた。

(送信者毎に自動的にフォルダ分けされる設定になっているのね)

『鴨志田買収』フォルダを開くと、なるほど常務秘書からのメールが届いていた。

(開封確認付きメールでなければいいけれど――)

メールをダブルクリックしてみるとそれは難なく開いた。

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